昭和天皇の全国巡幸《お言葉》③

「いろいろ苦しいこともありましょうが、どうか力を落さず国家のため尽くすよう希望します。 なほ、ここに来られない方にも伝えて下さい」(昭和29年8月11日)
北海道巡幸の際に昭和天皇は旭川の奉迎場で遺族席に足をお運びになり遺族を励まされた。

「綺麗だな」(昭和29年8月13日)
北海道巡幸の際に昭和天皇は小清水海岸を歩き、エゾカクラナデシコを見つけ思わずこう呟いた。

「皇后が来られなくて残念でした」
(昭和29年8月14日)

北海道巡幸の際にご体調を崩された皇后陛下を残してお一人で札友内小学校をご訪問になった
昭和天皇はこうおっしゃって皇后陛下の不在を謝罪された。

「もうパンは飽きた」(昭和29年8月15日)
北海道巡幸の際、昭和天皇は洋食が続くのに閉口された際のお言葉。8月15日から和食に改められたが
皇后陛下が御不予のためにお粥しか召し上がることがおできになれないとお聞きになると、昭和天皇もお粥で通された。

「北海道は一番開発の余地があると聞いていますから、合理的・科学的にしっかり開発してください」(昭和29年8月21日)
北海道巡幸の際に昭和天皇は、道庁で知事の奏上をお受けになったが、その中でも泥炭地開発に特にご興味を示され
こうおっしゃった。

「本日ここに全国各地から選ばれた諸君の元気あふれる姿に接することは私の深く喜びとするところであります。 諸君は本大会の使命に鑑み、明るく正しい日ごろ訓練した力を遺憾なく発揮するとともに今後ますます心身の育成 に努め、国運の進展のため貢献されることを望んでやみません」
(昭和29年8月22日)

札幌で開催された第九回国民体育大会開会式に臨御された昭和天皇はこうおっしゃった。
北海道巡幸の日程は国体の開催にあわせて設定されたのである。

「こういう人たちの苦労によって、北海道が開拓されたということがよくわかった」
(昭和29年8月22日)

北海道大学で昭和天皇は、高倉新一郎教授から「松浦武四郎と北海道」について奏上をお受けになり、ご感想を述べられた。

「顧みれば、昭和21年以来全国各地を回り、直接地方の人たちに会い生活の実情に触れ 相ともに励ましあって国家再建 のため尽くしたいと念願してきたが、今回の北海道旅行によって一応その目的を達成出来て満足に思っている」(昭和29年8月23日)
北海道巡幸を終えられ還御される前に昭和天皇は全国巡幸についてご感想を述べられた。


参考文献

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